2009-11

ドラフト会議1965年(2)

有力新人たちにとってドラフト制度が面白くないと思ったのは、やはり金の
問題だろう。ドラフトがはじまるに当たり、契約金の上限が約1300万円と
検討された。ある選手は前年大学を中退してプロ入りする予定であったが、
その時の契約金は3000万円だったという。それをとどまったため、多額の
契約金をもらい損ねたわけである。おまけに自由競争時代と違って好きな
球団に入れる保障もない。ドラフト初期に入団拒否の選手がかなり多いのは、
こういった背景があったものと思われる。
さらには「ドラフト制度など3年もあればつぶれる。」と、ドラフト制度自体
が長続きしないと予想する声も多かった。だからそれまでプロ入りを渋ろうと
いう選手も結構いた。
だが、ドラフト制度により上限が定められることになったといっても、実際
にはそう簡単ではなかったようだ。抽選で引き当てた有望新人が必ずしも
入団してくれるとは限らない。ここからまた勧誘するのでは遅すぎる。だから
指名前に前もって先手を打ち、あの手この手で選手を勧誘しなければならない。
そのため多額の裏金が動くことが懸念された。
そのほかにも「うちの球団に入ってから、その後君の希望する球団とのトレード
を考える」といって入団させた例もあるのではないかとされる。
この年のプロ野球は各球団大物選手のトレードが話題になったので、
(阪神・吉田、藤本、巨人・伊藤、西鉄・バーマなど)そこへ
ドラフトが絡み、有望新人と大物選手のトレードも有り得るとの見かたも
あった。
このドラフトはそもそも球団経営の合理化が目的。このほど球団の登録
選手を50人以内にすることが決まった。人件費削減だ。1チーム60人
ぐらいこれまでプロに登録されていたため、1チームで約10人がクビになる
計算になる。おまけにドラフトで新人選手が入団するわけだから、さらに
また数人のクビが危うくなる。

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Author:高校野球百科事典 池田くん
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